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教育ICTを語る(4)

この記事の想定対象者
・学校教育に関心のある方
・Edtechに興味のある方
・日本の教育に不安を感じている方
 
 

nabetunaghetti.com

 

今回はICT機器の活用スキルについてです。

以前の記事にも述べましたが、教員自体もICT活用に慣れていないというのが現状です。それもそのはずで、教員の方も教職課程でICT活用について学ぶことなくきているので、ユーザではあっても教員として指導できるかは体型的な理解にはなれない現状です。そのために行政としても教職員サポートの制度を整備し始めています。

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制度全体概要は以下の文科省の情報がわかりやすいです。

https://www.mext.go.jp/content/20201030-mxt_jogai01-000010768_002.pdf

 

 

 ■学校現場での困りごと

大きくは主に3つの用途があります。

1.授業の中で使用する教材作成支援

ビジネスのシーンでは当たり前に使っていますが、学校の先生はまだまだアナログの紙に書くことに慣れています。決して紙が悪いということではなく、手書きならではのオリジナリティや温かさが感じられるのは間違いないです。字の雰囲気に人柄が透けて見える点も良さの1つです。一方で何か引用したい情報がある際には手がかかりますし、作業効率としてはやはりデジタルの方が慣れれば早いですし、何よりも手渡しでなくても生徒や保護者にメール等の方法で情報を届けることができるのがメリットです。

 

2.授業でどのようにICTを活用するかの設計

なかなか活用方法というのは発想するのが難しいので、有識者としての役割が期待されます。学校の教員は1つのツールとしてICT機器を利用しますので、効果的な活用方法を集中して考えることは難しく、逆にICT支援員のように複数の学校を横断してICT活用の専門家として活用提案を検討することで、向き不向きをはじめとする客観的なコメントが可能になります。なかなかこの手の新しい方法にシフトするということ自体が、どなたか外部からの働きかけがないと、これまでの惰性力が強く、変えるデメリットを必要以上に強く意識してしまうものです。

 

3.学校のICT機材のメンテナンス/トラブル対応

 これも2.と類似観点ですが学校の先生は授業や生徒への対応で手いっぱいであるため、ICT機器の管理等の余裕はありません。また年配の教職員を中心にICT機器が何らかの理由でうまく動かないといったことなどへの対応が難しく、限りある授業の時間の中でその機材トラブルに時間を取られては元も子もありません。そういった点で知見を有したサポーターのニーズが高い状況です。あとは、特にトラブルでなくても、タブレットやPCを教室に運搬することやデバイスの数を管理するといった業務もこれまでにないものになるので、追加で人手がほしいという状況になってしまいます。

 

   

 

■支援制度

・ICT支援員の配置

主な役割は上記に記載したような学校の先生がICTを活用するためのサポートです。4校に1名を一つの目安とされておりますが、全科目ではないにしても全学年全クラスで利用されることを想定すると、実質週1日しか先生とICT支援員が話す機会がないということになります。実際に文科省の実証実験などに関わった教員の方からは、専任でいてもらうくらいでないと、段々ICT活用が負担に感じるようになってきてしまうという声を聞いたことがあります。

 

GIGAスクールサポーター

こちらは学校の授業に対して支援をするというよりは、GIGAスクール構想という文科省が掲げる学校のICT環境整備に関する支援を狙いとしております。支援が必要な要素としては、どういった機材を購入すべきか、またそれの利用・運用ルールを策定する役割です。タブレットやPCにもいろいろな仕様があり、それらを選定するだけでも相応の知識が必要となりますし、学校でどう運用していくかという最初のルール策定は個々の学校事情を加味するなど検討が必要です。端末については文科省が参考となる5万円以下の仕様を提示しておりますが、自治体では常に公共調達という手法にて物を購入したり、委託業者を決める必要があります。その際には、公平に調達参加が出来るように仕様書を公示し、その条件を満たすベンダの提案を確認し、決定していくという過程を経ます。どんなに積極的にかつ親身に提案してくれるベンダがいても、公平性という観点から調達という手続きを経る必要があり、またそれも募集期間が一定期間必要などすぐに施策を実施できないという悩みがあります。