前回の続編です。
2:ネットワークによる使用量の把握が可能(IoTの普及)
ひと昔前ではユビキタス、今ではIoTと言われるようないわゆるモノのインターネットに関する技術が成長してきたことが背景としてあります。一時期GEが生産するジェットエンジンの例がどこでも例示されていましたが、整備場にいなくてもエンジンの稼動状況や稼動実績をインターネット経由で情報収集することが可能という仕組みです。
■IoTが普及していく理由
A:モバイル通信の低価格化
B:製造業の生き残りをかけた策
C:スマートフォンを通じた位置情報活用などの普及
■A:モバイル通信の低価格化
今まさにホットな5GはIoTのような人が利用する通信ではないものも対象にしているネットワーク規格であり、工場や学校のネットワークとしてローカル5Gという言葉が取り扱われる状況です。(ユーザ向けには大容量通信も重要な要素です。)
IoTネットワークの特徴として、機器が動画を見たりLineをしたりということはないので、何らかの測定数値のようなものを24時間365日送るという特性になります。少量かつ多頻度。また、人がいる工場とかなら良いですが、普段人がいない電線とかそういった場所にある設備・機器であれば、通信機能が故障しないことなども必要要件になります。小さな通信チップのメンテナンスコストがかかっては、元も子もないので。この辺りはモバイル通信業界全体が底上げされたような形で実現性が高まってきている領域です。
■B:製造業の生き残りをかけた策
前回も記載しましたが、ものが売れない/所有に関する関心が下がっている状況からアフターサービスような形に舵を切ることや何らかの別の形で対価を得つつ、顧客をつなぎ留めておくことが重要課題とされています。
BtoCだけではなく、BtoBでももちろん必要となってきており、世の中の変化の激しいトレンドに追従するためには腰の重い生産体制ではなく身軽な仕組みであることが求められ、また団塊の世代が抜けたあとのノウハウの継承の補てんとしてデータ分析などに関心が集まることにも関係します。
■C:スマートフォンを通じた位置情報活用などの普及
やや間接的にはなりますが、コンシューマ側のサービスとして様々な情報を活用したサービスが登場しております。一番イメージしやすいところは位置情報かと思いますが、現在地情報を提供する代わりにパーソナライズされたサービスを受けることが出来ます。
さらに、1人1台に近い割合でスマートフォンという情報を受信するデバイスを持つことから、決済の情報や利用料や頻度などといったデータにもとづくレコメンドサービスも多々あります。こういった感覚をIoTに持ち込むことで、効果や更なるアイデアが生みやすくなったというリテラシ向上も重要な流れだと考えます。
職業柄、IoT関連の提案などをよくしてきましたが、ひと昔前は「何か出来そうな気はするけどどう活用するかイメージがわかない」、「そんなにお金をかけられない」といった声が圧倒的ですが、今ですと「あれは出来ないか?これは?」という実現したいことが多く上がってくるが、限られた費用内での実現と求められるクオリティが実現できるかという課題に変わってきています。
少しIoTに寄り道しましたが、サブスクリプションモデルのベースはこの発想にあるので、次回はこれを踏まえて、何が注目される理由かをお伝えします。