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IT業界の自己分析・業界研究〜プロジェクトマネージャー〜

緊急事態宣言のコロナ禍ですが、そろそろ就職活動の時期に差し掛かってきます。企業側からすると、もう昨年もコロナ禍の採用活動になっているので、その点ではやや勝手がわかってきていますが、学生の皆さんはもちろん初めて迎えることになるので、IT業界で何が求めらるか、そのあたりを何回かに渡ってご紹介します。

 

想定する読者

  • IT業界を新卒で考えている学生のみなさま
  • 今後インターンなどでIT業界を検討する学生のみなさま
  • 中途採用などでIT業界を志す方

 

 

変わるIT業界 

コロナ禍でも他の業界とは異なり、デジタルやリモートというキーワードをもとに需要が高い業界です。一説にはデジタル化が10年進んだと言われるくらい盛んに議論がされています。 さてそんなIT業界も、クラウドやAI、データ分析などが登場することでこの業界に求められる人物像も変わりつつあります。

 

IT業界とは言いましても、建設業界とかと同じで業界内でいくつかの階層化されています。この流れも10年くらい前と少し様子が変わってきていますが、今回は比較的大手と言われている層のプレーヤー像を想定します。

 

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大手IT企業の役割

比較的大手と言われるIT企業は、お客様と要件について整理したり、新規の企画をしたりといったことが求められる立場が多いです。また、昨今のDXやクラウドというテーマのもと、お客様の変革を支援するということも多い立場です。ただし、SaaSというような形態が広く普及していることもあり、業界の役割が変わりつつあり、個別にシステムやサービスを開発するような機会は減りつつあり、組み合わせる/利用するといった要素が強くなってきています。今回はそのうちのPMと呼ばれる役割についてご紹介します。

 

 

PM(プロジェクトマネージャー)神話

IT業界で一番象徴的な業務、役割として通称PMと呼ばれるプロジェクトマネージャーがあります。アプリケーション開発においては、要件定義はもちろん、設計、コーディング、試験といった一連の業務を品質と納期をマネジメントしていくという役割です。大規模のシステムでは1,000人を束ねるようなプロジェクトもあり、相当な責任を伴う役割です。納期や品質が低いことにより、問題プロジェクトと言われる修正や改修に追われ、稼働や原価が膨らんでいきます。IT業界では赤字化につながるので、なんとしても回避したいことです。そのために、これまで様々なプロジェクトマネジメント手法が世界中で研究されてきており、方法論としては多くの確立しつつあるものがあります。ただ、ここは最後の最後は人が関わっている部分があり、ヒューマンエラーという部分が残ってしまい、ここのつぶしこみが永遠の課題でもあります。

 

このようにPMは多くのメンバを束ねながら、スケジュールの遅延が出てくるとリカバリー方法を検討したり、作業品質が低くなれば、それを点検するタスクを追加したり、プロジェクト内で人の配置転換や支援要員を集めてきたりと、決められた費用の中でやりくりをしていくということが求められる。そんなPMに求められることが何か、特徴をご紹介します。

 

コミュニケーション力

プロジェクトメンバとのコミュニケーションは当然必須です。優しく慕われるというだけでなく、時には厳しいことを言うことも必要で、そう言った意味で信頼関係の構築が求められます。この厳しいことを言うのが実は結構大変です。同じ会社の人であることもありますし、協力会社の方に伝えることもあります。年上の人に伝えることもありますし、技術的に長けている方に対して改善要望を出していくことも必要です。品質の悪いときには、ミスを是正してもらう指摘をすることも必要ですし、遅れているときには急いで欲しいことを伝える必要もあります。なかなか心苦しいシーンも多々あります。ただ、辛いことだけではもちろんなくて、プロジェクトが大きいと実現するシステムも大きなものになり、やり遂げた時の達成感は相当なものです。

 

プロジェクトメンバに対してというコミュニケーションは上記の通りですが、お客様とのコミュニケーションも必須です。プロジェクトが始まると進捗会議という進んでいる状況を週次などで報告をしていきますが、遅れていることや品質が悪くなっていることなども包み隠さず伝えていくことが必要で、報告しにくいことも多々あります。お客様側の都合とプロジェクト内の都合で板挟みになるようなシーンもあるあるです。ただこちらも、システム開発が無事に終わり、トラブルもなく動き出すと、お客様からの感謝の言葉は感動ものです。

 

決断力

当初のスケジュール通り行かない点が出てくると、新たな判断が求められます。遅れているところを挽回して欲しい、ミスが多ければチェックを増やして欲しいというもので済めば良いですが、挽回するには人が足りない、チェックを増やすと予定していた作業が遅れるなどといった歪みが生まれます。基本的に人はそんなに簡単に集めてこれません。誰でもいいということではもちろんないですし、新規に参加した方はちんぷんかんぷんな状態でなので、内容を理解する時間が必要になり、なかなかすぐに戦力にならないというのが実態です。立ち上がりに時間がかかる、と言ったりもします。システム開発の繁忙期には勤務時間が長くなることがあるのは、こういった現場メンバで切り抜けなければいけない局面があるところに起因することは多いです。

 

コミュニケーション力でも述べましたが、内向きのマネジメントの観点もあれば、お客様向かいでの判断も必要です。一番多いのが、開発を始める前に要件や計画を決めた上で進めますが、やはり途中からお客様が要件を変更したいということが出てきます。これを受け入れてしまうと、元々計画していたスケジュールが破綻したり、稼働量が足りないといったことが起こってしまいます。そのためにお客様の希望であっても無理ですと断ることが必要です。ただ、全てが断れるものではなく、中には取り入れる必要もあります。このあたりの判断はとても重要で、影響範囲なども把握しつつ判断していくことが重要です。

 

まとめると・・

今回はプロジェクトマネージャーという職種についてご紹介しました。上記の業務特性上、サークルの幹事長ではないですが、そういった率いていくようなタイプが多いように感じますが、決してそうでもありません。もちろん求心力は必要ですが、プロジェクトメンバが力を発揮できることが重要なので、縁の下の力持ちのようなタイプの方もいますが、やはり決めるときは決められるというメリハリは必要です。また、管理業務が強そうに見えますが、判断するところが多々あるので、技術知識を持っていることが必須ではないですが、詳しいメンバと話をしながら理解をしていくだけの基礎と応用力は必須です。そのために、実際の開発メンバを経て、PMになるというキャリアパスが多いですが、それも一分野の実務経験でしかないので、やはり視野と知識の幅はとても重要です。