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柴山プランを語る(2)~遠隔授業~

コロナ禍でもはや実施せざるおえない状況になりました遠隔授業についてです。登校禁止に対する対策以前から遠隔の中に見出されていた要素を中心にご紹介します。

想定する読者

  • 教育に関係する方々
  • IT×教育ビジネスに関係する方々
  • 日本の教育の行く末に不安のある方 

 

前回の校務支援システムはこちら↓

nabetunaghetti.com

 

 

 

文部科学省掲示している遠隔教育システムに関するガイドブックをベースにご紹介します。

https://www.mext.go.jp/content/20200804-mxt_jogai02-100003178_024.pdf

引用元:文部科学省

「令和2年度 遠隔教育システム導入実証研究事業」

コロナ禍において春先の緊急事態宣言の際には多くの学校が休校となりましたが、現在では登校するスタイルに戻っている学校が多くあります。やはり学校においてはオンラインの限界がある、というよりは年度で授業計画が立てられてしまっているので、それを変更することが難しいというのが実情かと考えます。その際にやはり大事になるのが遠隔/オンラインであることのメリットです。

 

 

遠隔教育に関して以下3つに分類されています。

  1. 多様な人々とのつながりを実現する遠隔教育
  2. 教科などの学びを深める遠隔教育
  3. 個々の児童生徒の状況に応じた遠隔教育

コロナ禍におけるビジネス現場でのテレワークのメリットと対比して捉えると、2と3についてはやはり価値ある手段になると捉えます。1に関する難しさは、多対多のコミュニケーション、臨場感の損失がやはりリアルに勝てないところです。

 

 

上記のガイドブックではさらに以下に分類されます。

教科などの学びを深める遠隔教育

  • ALT(Assistant Language Teacher)とつないだ遠隔学習
  • 専門家とつないだ遠隔学習
  • 免許外教科担任を支援する遠隔授業
  • 教科・科目充実型の遠隔授業

この手の専門家との連携についてはやはりオンラインであることはメリットになります。一番わかりやすいのは語学です。東京や神奈川、大阪のような大都市であれば学校における生徒数も多いので、非常勤で抱えることも選択肢になりえますが、学級数が少ない学校では到底無理ですし、物理的に移動しなければいけない距離が長くなることでより効率が下がり、かつそれによる単価の向上にもつながってしまいます。

 

現状の遠隔技術では、双方向のコミュニケーションは双方にオンライン慣れ/リテラシのあることが理想的ですが、児童となるとそうもいきません。そういった環境下では、片方向のやり取りが中心のこういった専門家による講義形式が実施しやすいです。

 

注目する分野

主に高校生のような比較的年齢の高い層が対象となりますが、職業体験のような情報についてこういった遠隔形式を積極的に採用すべきと考えます。これまでも視覚的な方法として写真や動画で伝えることがされてきましたが、遠隔授業形式で職場のリアル(周囲の音など)が伝わることで、講師が学校に来て講和をするのとはまた異なる印象が与えられます。工場や建築など現場という環境がある職業ではさらにリアルさが伝わります。STEAM教育に見られるように活用可能な形で知識を習得するように変化ありますが、やはり何を目標に勉強をするかという動機づけなしには結局試験対策に終始してしまうのは避けられません。

 

個々の児童生徒の状況に応じた遠隔教育

  • 日本語指導が必要な児童生徒を支援する遠隔教育
  • 児童生徒の個々の理解状況に応じて支援する遠隔教育
  • 不登校の児童生徒を支援する遠隔教育
  • 病弱の児童生徒を支援する遠隔教育

これらの領域はパーソナライズに近い考え方の遠隔授業です。つまり、教室に何らかの理由で出席することが出来ない児童への対応です。遠隔技術が進化することで、場所を問わずコミュニケーションが取れることはもちろんメリットですが、もう一つ重要なメリットがあります。

 

ヒューマンインターフェース(UI)

アナログの世界では、読み書きしか存在しませんでしたが、デジタル化により多様な表現が可能になっています。

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カメラ:映像をリアルタイム/アーカイブで伝える

マイク:音声によるコミュニケーション

文字入力:ペン形式、音声文字認識、ソフトウェアキーボード形式

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音声認識技術が進歩したことにより、書くことがうまくできなくても入力することができ、また読むことがうまく出来なくても音として再生することも可能になりました。こういったヒューマンインターフェースの進化により、インプットとアウトプットに多くの可能性が生まれ、ハンディキャップがある状態の児童でも多くの教育を受けることが出来るようになっています。

 

遠隔授業に必要なツール・機器

参考情報ですが、少しICT技術についてです。オンラインや遠隔授業を実施するにあたり、zoomやWebEX、Teams/streamなどのアプリケーションはもちろんですが、安定して通信可能なネットワークも必要です。スマホで使っている携帯の通信網程度でも十分可能です。マイクについては無指向性のものがあります。指向性とは、どの向きからの音をよく拾って、ほかの方向の音は拾わないということで、雑音なく話をしたい場合にはとても重宝します。一方で何人かのグループの真ん中に置くような場合は、全方向から音声をうまく拾えるマイクが重要です。これを無指向性という表現をします。Jabraあたりはかなり有名どころのマイクです。

 

 

 総括

 私自身が教員ではないので、教育者としての遠隔授業という論調ではないですが、ビジネスの現場では普及している特性を踏まえた形としました。一方でITに関わる立場として、ICTで代替できる部分と代替しにくい部分というのは適材適所という言葉の通り選択することで、高い効用を得ることが出来ます。